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システム開発は、つくる前がいちばん大事。uruu様の予約・顧客管理システム構築で考えたこと
uruu様を運営する株式会社Lecture(リクレ)とは、前身となるヘアセット専門店「Diamond Dresser(ダイヤモンド・ドレッサー)」の時代から、ホームページ制作を通じてお付き合いが続いています。WEB制作会社として、とても嬉しい限りです。
その株式会社Lecture様から今回いただいたのが、「感覚だけではなく、数字を見ながら経営できる環境をつくりたい」というご相談でした。
どの店舗にどんなお客様が来ているのか。どのくらいの頻度でリピートしてくださっているのか。何をきっかけに予約につながったのか。売上や稼働状況はどう変化しているのか。
そうした情報を蓄積し、経営判断に活用できる仕組みをつくる。
言葉にするとシンプルですが、実際にシステムへ落とし込もうとすると、決めなければならないことは想像以上にたくさんありました。
「予約システム」と一言では片づけられない複雑さ
uruu様では、シャンプー、ヘアセット、着付け、メイクなど、複数のサービスを展開しています。
さらに、通常メニューだけではなく、シャンプーとヘアセットを組み合わせたセットメニューや、キャンペーン・クーポンメニューなどもあります。
予約枠を考えるときには、単に「この時間が空いているか」を見ればよいわけではありません。
シャンプーを行うなら、シャンプー台が空いている必要があります。ヘアセットならセット面が必要です。そして、その施術を担当できるスタッフが、その時間に出勤していなければなりません。
メニュー、所要時間、設備、スタッフの人数、スタッフのシフト。
それぞれの条件が絡み合って、初めて「この予約を受けられるかどうか」が決まります。
店舗では、人が感覚的に判断していることでも、システムに任せるためには、すべてをルールとして整理しなければなりません。
この業務フローを一つずつ把握し、システムの設計に落とし込んでいく作業は、丁寧な検討が必要でした。
一番避けたいのは、オーバーブッキング
さらに難しかったのが、予約の入り口が一つではないことです。
HOT PEPPER Beauty(ホットペッパービューティー)、Instagram、電話、窓口での次回予約など、複数の経路から予約が入ります。
どのルートから予約が入っても、実際に使うシャンプー台やセット面、スタッフは同じです。
そのため、予約情報を正しく一元管理できなければ、別々の経路から同じ時間帯の予約を受け付けてしまう可能性があります。
店舗運営で最も避けたいことの一つが、オーバーブッキングです。
予約を楽しみに来店されたお客様に、「予約が重なってしまって対応できません」と伝えるようなことは、絶対に避けたい。
だからこそ、予約の入り口が複数あっても、店舗側では一つの在庫として正確に把握できることを重視して設計しました。
予約システムは、便利に予約を受け付けるためだけのものではありません。
お客様との約束を守り、店舗のサービス品質を支えるための仕組みでもあると考えています。
設計と構築を分けた
今回のプロジェクトでやってよかったと思っているのが、「設計」と「構築」を明確に分けたことです。
いきなりプログラムを書き始めるのではなく、まずは業務フローを確認し、必要な機能やデータを整理する。
- どのメニューで、どの設備を使うのか。
- どのスタッフが対応できるのか。
- 予約の条件はどうなっているのか。
- 店舗側では、どんな情報を確認したいのか。
- 経営側では、どの数字を見たいのか。
それらをシステム設計として整理し、実際の画面をイメージできるよう、ワイヤーフレームまで作成しました。
画面を見ながら話すことで、「ここではこの情報が必要」「この入力方法だと現場が大変」「この数字はこういう切り口で見たい」と、より具体的に認識を合わせることができます。
そこで仕様を固めてから、構築フェーズへ進む。
やること自体は大量にありましたが、フェーズを分けたことで、一つずつ整理しながら進めることができました。
データは「取れるもの」ではなく「使うもの」から考える
今回構築したのは、予約を管理するためのシステムだけではありません。
集客経路、来店頻度、購入単価、年齢などの顧客情報を蓄積し、経営判断に活用できるデータ基盤も整えています。
ここで大切にしたのは、とにかく多くのデータを集めることではありません。
「このデータを見て、何を判断したいのか」。
そこから逆算して、取得する情報を考えました。
たとえば、Instagramから何人予約したかを見るだけではなく、そのお客様がその後リピートしているのか、どのくらい売上につながっているのかまで分かれば、次にどの集客施策へ投資するかを考える材料になります。
また、数字だけでは分からない情報もあります。
髪質や頭皮の状態、会話の中で分かった好み、どんな接客を心地よいと感じる方なのか。
こうした現場でしか得られない情報も顧客管理の中に蓄積できるようにしました。
数字で見えるデータと、人との対話から得られる情報。その両方を使って、お客様をより深く理解できる仕組みを目指しました。
多店舗展開を前提に、事業の成長に耐えられる設計へ
uruu様では、プロジェクト当初から多店舗展開を見据えていました。
そのため、目の前の一店舗だけで使える仕組みをつくるのではなく、店舗が増えても同じシステムを使い続けられることを前提に、データ構造や管理方法を設計しています。
店舗ごとの予約や売上、顧客情報を管理しながら、必要に応じて全店舗を横断して状況を把握できること。新しい店舗が加わった際にも、システムをゼロからつくり直すことなく柔軟に拡張できること。また、エリアに囚われず、お客様が行きつけのお店以外にも通うことができること。
さらに、将来的な事業展開も見据え、店舗数の増加だけでなく、新たなサービスやブランドが生まれた場合にも対応しやすい設計を意識しました。
実際に現在は店舗数も増え、姉妹ブランドも展開されています。
事業が成長したときに、システムが足かせになるのではなく、その成長を支えられること。
「今動けばよい」ではなく、「この会社がこれからどうなっていくか」まで想像してつくることも、システム設計では大切だと感じています。



システムは、完成してから育っていく
もう一つ、システム開発でいつも感じるのは、「完成したら終わり」ではないということです。どれだけ事前に考えて設計しても、実際に運用を始めると、
「もっとこうしたい」
「ここはもう少し簡単にしたい」
「この数字も見られるようにしたい」
「当初は必要だと思ってたけど、この機能は使わなかった」
ということが必ず出てきます。
店舗が増えたり、新しいメニューができたり、集客方法が変わったりすれば、システムに求められる役割も変わります。
モアモストでは、構築後も継続して運用・改善を支援しています。
最初につくった仕様を守り続けるのではなく、事業の変化に合わせて、システムも一緒に育てていく。
そういう関係でありたいと思っています。
Instagramが強いからこそ、その次の集客も考える
uruu様は、もともとInstagramを活用した集客に成功しておられました。
そのため、Webサイトのコンテンツマーケティングについては、Instagramほど力を入れてこなかった背景がありました。
ただ、Instagramで集客できていることと、Webサイトを活用する必要がないことは別です。
検索からどのような人が訪れているのか。どのページが見られているのか。Webサイトの中で、お客様はどのように動いているのか。
先日は、Webサイト全体のアクセス状況や検索データを分析し、今後どのようなコンテンツを増やしていくとよいかについてもご提案しました。
うまくいっているInstagramを否定するのではなく、それを大きな強みとして生かしながら、検索やWebサイトという別の入り口も育てていく。
システム、データ、Webマーケティングを別々に考えるのではなく、事業全体を見ながら次に必要なことを考えるのが、私たちの支援スタイルです。
専門家として任せてもらえるから、踏み込んだ提案ができる
uruu様とのプロジェクトは、難航した案件だったわけではありません。
もちろん、業務を一つずつ把握して、膨大な条件を整理し、システムと画面に落とし込む作業量はかなりのものでした。
それでも前向きに進められたのは、uruu様が専門領域について私たちを信頼し、任せてくださったことが大きかったと思っています。
事業のことは、事業者が一番よく知っている。システムやWebのことは、私たちが専門家として考える。
お互いが持っている専門性を出し合い、「では、この事業にとって一番よい形は何だろう」と考えていく。
そういう関係で仕事ができると、私たちも「言われたものをつくる」だけではなく、その先まで踏み込んだ提案ができます。
システム開発は、コードを書く前の仕事がとても大切
今回のプロジェクトを振り返ると、改めて、システム開発はプログラムを書くことだけが仕事ではないと感じます。
現場で行われている業務を理解する。
当たり前に行われている判断を、一つずつ言葉にする。
どの情報を残すのかを整理する。
経営者が見たい数字を考える。
今だけではなく、これからの事業展開も想像する。
それをシステムと画面の設計に変換して、初めて構築に入ることができます。
見えない部分ですが、この「考える、整理する、設計する」という工程こそ、システムの使いやすさや、長く使えるかどうかを左右します。
モアモストでは、完成したシステムだけではなく、その前後にある事業や運営まで一緒に考えることを大切にしています。
uruu様とのプロジェクトは、そんな私たちのシステム開発の考え方が、とてもよく表れている案件の一つです。
大分を拠点に、Web制作・システム開発・SNSマーケティング支援などを行う株式会社モアモストの編集チーム。 現場で得たノウハウや成功事例をもとに、ホームページ制作やWebマーケティングに役立つ情報を発信しています。 中小企業・行政・店舗支援の豊富な実績をもとに、「誰にでもわかりやすく、すぐに実践できる」記事づくりを心がけています。